1. こんな場面で悩んでいませんか
在宅ワークが定着して、ノートPCの画面だけでは資料とチャットを同時に見られず目が疲れてきた。そろそろモニターを増やそう、どうせなら2枚並べてデュアルにしよう——そこまでは決まった。でもいざ探し始めると、「クランプ式」「グロメット式」「ガススプリング」「VESA75×75」といった見慣れない単語が並んでいて、どれを選べば自分のデスクと今のモニターに合うのか判断がつかない。
さらに賃貸だと「デスクや壁に穴を開けたくない」という制約も加わる。グロメット式は天板に穴を開けて固定するタイプなので、退去時の原状回復が気になる人には向かない。一方でクランプ式なら天板を挟むだけで済むものが多いが、天板の厚みによっては挟めないこともある。
今回は「新しくモニターアームを買う人」「2つのモニターに使えるアームを探している人」を想定して、実売5,000円台〜8,000円弱の4製品を比較する。
2. この記事が向いていない人(先に外しておきます)
- すでにErgotronなど上位価格帯のアームを使っていて、可動性や質感に満足している人。今回扱うのはいずれも1万円未満の価格帯で、剛性や仕上げの質感はその価格なりだと考えたほうがいい。
- 34インチ以上のウルトラワイドや、重量級の曲面モニターを載せたい人。今回の製品はどれも一般的な16:9モニター向けの耐荷重設計で、曲面・大型は想定外になりやすい。
- 天板がかなり薄い、あるいはガラス天板でクランプが挟めるか不安な人。この記事では天板厚みの実測比較はしていないので、購入前に自分のデスクの天板厚とクランプの対応範囲を先に確認してほしい。
3. 選ぶときに見るべき基準を3つ
①対応モニターサイズと耐荷重(1本あたり)
「デュアル対応」と書いてあっても、耐荷重が低いモデルに大きく重いモニターを載せると、時間が経ってから徐々に下がってくることがある。カタログ上の対応サイズだけでなく、1本のアームが何kgまで支えられるかを見る。
②取付方式(クランプ式/グロメット式)
賃貸で穴を開けたくないなら、クランプ式のみ、またはクランプ・グロメット両対応の製品を選ぶ。グロメット式しか用意されていない製品は、退去時の対応まで考えておく必要がある。
③可動域とテンションの調整幅
上下左右に加えてチルト(前後の傾き)まで自由に動くか、ガススプリング式かテンションネジ式か。ガススプリング式は片手で高さを変えやすいと言われる一方、経年でガスが抜けて「下がってくる」という声も一定数ある。
4. 比較表
※価格・仕様は変更される可能性があります。購入前に販売ページで最新情報を確認してください。
| 商品名 | 価格(税込目安) | アーム数 | 対応サイズ | 耐荷重(1本あたり) | 取付方式 | VESA | カラー |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Pixio PS1S Wave | 7,900円 | シングル | 24〜32インチ | 記載なし | 記載なし | 記載なし | ホワイト 他10色以上 |
| Amazonベーシック(ガススプリング) | 5,362円 | デュアル | 15〜27インチ | 2.0〜7.0kg | 記載なし | 75×75/100×100 | ブラック |
| HUANUO | 6,898円 | デュアル | 13〜32インチ | 2〜9kg | クランプ/グロメット両対応 | 75×75/100×100 | ホワイト |
| Amazonベーシック(最大32インチ) | 3,056円 | デュアル | 〜32インチ(81.3cm) | 10.0kg | 記載なし | 75×75/100×100 | ブラック |
こうして並べると、「デュアル 27インチ」というキーワードにそのまま当てはまるのはAmazonベーシック(5,362円)とHUANUOの2つで、Pixioはそもそもシングルなので2枚使うなら2台購入が必要になる、という点は見落としやすい。
5. 商品ごとの解説
Pixio PS1S Wave(シングル・ホワイト・7,900円)
デスク環境で色を統一したい人におすすめ。ただしデュアルにしたい場合はこれを2台並べることになるが、そうすると1枚あたりの実質コストは他の3製品より高くなる。向いているのは「今は1枚だが将来2台目を買うかもしれない」くらいの人。今すぐ2画面前提で探している人には遠回りになりやすい。
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Amazonベーシック ガススプリング式(デュアル・ブラック・5,362円)
15〜27インチという対応幅は、まさにフルHD〜WQHDあたりの27インチモニター2枚構成を狙い撃ちした設計に見える。耐荷重2.0〜7.0kgは一般的な27インチ液晶(だいたい4〜6kg前後のものが多い)には収まる想定だが、上限ギリギリの重量級モニターだと余裕は少ない。色はブラックのみで、白デスクに合わせたい人には選択肢に入らない。
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HUANUO(デュアル・ホワイト・6,898円)
対応サイズが13〜32インチと幅広く、耐荷重も2〜9kgとこの4製品の中では最も余裕がある。クランプ・グロメット両対応なので、賃貸でも穴あけ不要のクランプ運用ができる点は「モニターアーム 賃貸 穴あけ不要」で探している人には刺さりやすい。
Amazonベーシック 最大32インチ対応(デュアル・ブラック・3,056円)
4製品中もっとも安いにもかかわらず、耐荷重は10.0kgと表記上は一番高い。数字だけ見るとお得に見えるが、価格が下がっている分、ガススプリングではなくテンションネジでの調整になっている可能性が高く(商品説明にガススプリングの記載がない)、高さを変えるたびにネジを回す手間がある製品だと考えたほうがいい。とにかく安く、そこそこ丈夫なものが欲しい人向け。滑らかな操作感を重視する人には物足りなさが残るかもしれない。
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6. レビューで多かった不満と、その対処
集まったレビューの中で共通していたのは、次のような点だった。
- チルトの動きが硬すぎるという声。モニターに負担がかかるのではと心配になるほどの力が必要、という指摘があった。対処としては、購入直後に無理に動かさず、テンション調整ネジがあるモデルなら少しずつ緩めて動きを確認する方法がある。ただし緩めすぎるとモニターが自重で下がってくることもあるため、調整は少しずつ行ったほうがよさそうだ。
- 塗装がテカテカして安っぽく見えるという不満。写真で見る質感と実物の質感にギャップを感じる人がいる。これは価格帯を考えると一定数出てくる指摘で、マットな質感を強く求めるなら、もう少し上の価格帯を検討したほうが期待とのズレは少ないかもしれない。
- ネジの頭が飛び出したままになるという指摘。緩めれば可動、締めれば固定という構造上、常時可動させたい人はネジが出た状態になりやすい。見た目を気にする場合は、可動させる頻度をあらかじめ決めておき、固定運用に寄せるという割り切り方もある。
- 左右のアームが独立して動かない/高さ調整の範囲が限定的という声。デュアルといっても、左右完全に別々の高さ・角度にできるとは限らない。2枚のモニターの高さを大きくずらして使いたい人は、購入前に「独立可動」と明記されているかを確認したほうがいい。
- モニターによってVESAマウントの位置が違い、並列配置ができなかったという報告。同じインチ数でも背面のネジ穴間隔や配置は機種によって差があるため、既に持っているモニター2台の型番を確認し、可能ならメーカーの仕様書でVESA位置を照らし合わせておくと、届いてから「並べられない」と気づく事態を避けやすい。
7. 状況別のおすすめ
- 賃貸で穴を開けたくない人 → クランプ式で運用できるHUANUOか、Amazonベーシックのクランプ対応可否を販売ページで確認した上での運用。グロメット固定前提の製品は避ける。
- 27インチ2枚をデュアルで使いたい人 → Amazonベーシック(5,362円・15〜27インチ)かHUANUO(13〜32インチ)。どちらも27インチをカバーしているが、白でそろえたいならHUANUO、価格を抑えたいならAmazonベーシックという分け方になる。
- 32インチなど大きめのモニターを2枚載せたい人 → 耐荷重10.0kgのAmazonベーシック(3,056円)かHUANUO(9kg)。数字上の余裕はAmazonベーシックの方があるが、調整の滑らかさとのトレードオフは考えておきたい。
- デスク周りの色を白で統一したい人 → HUANUO、または1枚構成で妥協できるならPixio。ただしHUANUOは前述の通り塗装や可動性への不満も出ているため、色だけを理由に選ぶと後から機能面で物足りなさを感じる可能性もある。
- とにかく初期費用を抑えたい人 → Amazonベーシック(3,056円)。滑らかさより価格を優先する場合の選択肢。
8. 買ったあと、最初にやること
- 開封したら、まず自分のモニターの実重量を製品仕様やメーカーサイトで確認し、アームの耐荷重に対してどれくらい余裕があるか計算する。上限ギリギリで使うと、後から下がってくる可能性がある。
- モニター背面のVESA規格(75×75か100×100か)とネジ穴の位置を確認してから取り付ける。特にデュアルで2台とも同じ機種でない場合は要注意。
- クランプで固定する場合、天板の厚みが対応範囲に入っているかを取り付け前にもう一度測る。
- 取り付け直後は全てのネジを最大まで締めきらず、実際にモニターを動かしながら、動きすぎない・硬すぎない位置を探って本締めする。
- ケーブル収納機構があるモデルは、配線をアームに通してから最終固定をすると、あとから配線をやり直す手間が減る。
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